稲尾岳(930m)

【前書き】
 正月は中国地方の山にでも行こうかと考えていたが、天気予報を見るとあまり良くない。気圧配置から鹿児島方面はいくらか良さそうなので、鹿児島の山に登ることにした。鹿児島には昔7年間住んでいたので懐かしい。約35年前に登った開聞岳にも登ってみたいし、よく登った高隈山にも行ってみたい。まだ登ったことのない甫与志岳にも前から登ってみたいと思っていた。
 色々調べるうちに辺塚の近くに稲尾岳という照葉樹林の山があるのが分かった。辺塚は平家の落人部落と言われている村で、武田静澄著「落人伝説の旅 平家谷秘話」現代教養文庫や民俗学者の宮本常一著「大隈半島民俗採訪録」慶友社などに紹介されている。
 今回は稲尾岳と開聞岳に登ることにした。

【年月日】’10.1.2(土)
【コースタイム】
(移動)北九州出発(5:00)→(九州自動車道)→熊本(6:50)→国分IC(8:45)
     →稲尾岳ビジターセンター(11:05)

(登山)ビジターセンター(11:30)→自然石展望台(12:25)→枯木三角点(959m)(12:58)→稲尾神社(13:42-50)
     →枯木(14:26)→自然石展望台(14:45)→ビジターセンター(15:24)

(移動)根占港着(16:10)→根占発(17:10)→(根占山川フェリー)→山川着(18:00)
     →開聞山麓ふれあい公園(18:30)

【同行者】単独

【写真と解説】

 国分ICを8:45に降りて、ここ道の駅“垂水”に着いたのは9:20です。
 目の前に桜島が噴煙を上げているのが見えます。昔と火口の位置が違うようです。昭和50年頃はバンバン爆発していました。今も活発のようですが。
 ここ道の駅“垂水”には、足湯の設備があります。この風景を見ながらゆっくりするのも良いかも。
 しかし、灰が凄いのです。噴火による降灰は冬は東側の垂水方面に、夏は西の鹿児島市方面に向かうのです。この写真を撮るためにカメラカバーを何気なく堤防の上に置いたら灰で真っ白になりました。そういえば道の駅の案内所の横に泥が溜まってました。除去した残りでしょう。靴の裏も灰だらけ。車のマットも真っ白。早々に退散することにしました。


 稲尾岳登山口までは、「照葉樹の森」の案内板が所々に立っているので目印になります。
 ビジターセンターが見えてきました。標高は約800mあります。近代的な建物です。
 正月2日なのに職員の方が登山口への入口で待っていて、ビジターセンターに寄っていく様に薦めてくれました。
 ビジターセンターでは、山域のミニチュアモデルで登山コースの説明をしてくれ、お茶も飲ませて頂きました。時間があれば、ゆっくりしていくと良いと思います。


 登山コース案内板です。
 本当は、ビジターセンター→自然石展望台→枯木三角点→分岐→稲尾神社→分岐→登山道北口→内之牧林道→滝巡りコース入口→滝巡りコース→ビジターセンターと回るつもりだったのですが、ビジターセンター到着が11時を過ぎていましたので稲尾神社往復にしました。


 ビジターセンターで、木々の雪で衣服が濡れるので雨具を着用した方が良いとアドバイスされたので、念のため雨具をザックに入れ、昔ゴアテックス製だったコートを着て出発したのですが、これが大失敗の原因になろうとは。
 西口登山口まで500m程度林道を歩き、その後、登山道は沢伝いになります。残雪があります。コース別に色違いの誘導ナンバー札が貼ってあるので道に迷うことは無いでしょう。


 川の源方向へ登っていきます。雪の準備は全くしていなかったので、少し不安です。特に登山靴は最近、防水クリームを塗っていなかったので、あまり長時間雪に接したり濡れた状態が続くと水が浸み込んできます。ゴローの革製軽登山靴ブーティエルでゴア内張りしてあったと思うのですが、既に6年くらい経っているので防水クリームが切れると浸水してきます。これが皮の欠点でしょうか。


 自然石展望台です。写真左奥が枯木、そこから右手前の小山が稲尾岳でしょうか。良く分かりません。
 天気が良ければ、種子島も見えるらしいですが、今日は雲って駄目です。


 最高点の枯木は看板と三角点があるだけで山という感じはしません。自然石展望台〜枯木間は密生した低木の間に幅60cm程度の道が切り開かれており、非常に単調です。ここでコートが濡れて、どんどん水が浸み込んできました。しかし、歩いている間は、体温が上がっているので濡れにはあまり気づきませんでした。

 稲尾岳へ向かう登山道は写真のように感じの良い道です。


 稲尾神社の小さな鳥居です。高さ1mもないような。平家の落人が山に登って、都を偲んだとか、看板に書いてありました。
 山頂付近から打詰への下山コースを示す案内板が掛かっていましたが、打詰は辺塚の出村だそうです。


 ビジターセンターに挨拶をして、直ぐに開聞岳に移動です。
 移動コースは、陸伝い、桜島フェリー、垂水フェリー、山川・根占フェリーの4通りあるのですが、下山後の疲れた体に最もお手頃なのが、車での移動距離が最も少ない山川・根占フェリーです。
 慌ててビジターセンターを出発したのですが、根占港まで30分掛かりませんでした。フェリー“ぶうげんびりあ”です。
 この航路も廃止されたり、復活したり、また撤退騒ぎが起きているようですが、どうなるのでしょう。


 大隈半島から離れていきます。逆に開聞岳が近づいて来るのですが、船首がちょうど開聞岳の方を向いていて、船尾にある展望台からは見えないのです。残念。

【後書き】
 下山後ビジターセンターに着いてコートを脱いでみると、下着もカッターシャツもズボンもびちゃびちゃに濡れていました。下着もシャツも着替えは持ってきていないので体温で乾かすしかありません。登山靴はしっとりと内側まで濡れた状態。
 たった二日でも、例え晴れでも、着替えくらいは持って来るべきでした。正月早々、なんてこった。
 気が萎えそうになりながら、ひたすら体温で衣服が乾くのを待つのでした。
 次の目的地、開聞岳へ続く!

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